(NERV技術一課・赤木リツコから作戦局第一課・葛城ミサトへ宛てた書簡より、一部抜粋)
・・・現段階では、次なる使徒襲撃に備えて、エヴァンゲリオン零号機および初号機操縦者の技術向上を図るとともに、戦闘時における操縦者の身体生理機能の変化を定性的かつ定量的に捉えることが重要だと考えられる。
これまで、様々な状況を想定した実験を行ってきたが、これらは全て短時間の作戦行動に関するものであり、長時間に渡るエヴァンゲリオン操縦による操縦者への影響に関しての実験は全く行われておらず・・・
・・・そこで今回、作戦局による訓練計画(U−5)の一部を修正し、訓練時間の長時間化と、技術課による測定項目の増加を希望するものであり・・・

(葛城ミサトから、赤木リツコへ送られた電子メールより、全文掲載)
で、あなたは私に何をして欲しいわけ??


新世紀エヴァンゲリオン二次創作ストーリー
Naughty Lady
(作・文:FatMan)


「・・もう、朝なのね・・」

葛城ミサトは、自室の布団の上でゴロリと仰向けになった。
ノースリーブのシャツの内側では、ブラジャーに縛められていない二つの柔かな膨らみが、気持ち良さそうな曲線を描いて天井を向いている。さらに、シャツから伸び出した上腕も、裾がめくれて剥き出しになっている腹も、短パンからスラリと伸びる両足も、程よく引き締まった艶かしいラインを描いていた。
仕事柄、機敏な行動を求められるミサトは、NERV基地内のトレーニングジムで自分の体を鍛えているのだが、そのおかげで、レトルト主体の食事とビール好きという堕落し切った食生活にも関わらず、体の線は崩れる徴候さえ見せていない。むしろ30歳を目の前にして、脂の乗り切った成熟した大人の女性としての色艶が加わり、その魅力を一層引き立てていた。
こんなミサトだからデートの誘いはひきもきらず、常にいろいろな方面からアプローチはあるのだが、今のところそれらは適当にあしらって、決して深入りはしないようにしている。
現在の彼女にとって、一番大切にしたい人は一人だけなのだ。
まさか自分があんな子供相手に、と思うこともたまにはあるが、でも好きなものはしょうがない。
例え肉欲が先行した愛情だろうと愛情には変わりないし、現にこうして数日会えないだけで、寂しくて切なくて眠れない夜を過ごしてしまうのだ。
彼女がパートナーとして選んだ男のそばに片時も離れず居たい・・それは飢えにも似た強烈な欲求であり、体がバラバラに引き裂かれるような疼きをもたらした。

「あ・・ん・・シンジくん・・」

ミサトの指がショーツの中に滑りこんで、彼女の敏感な部分に触れた。
そこは既に湿っており、指の動きに素直に反応して熱くぬめり始めた。

「ん・・ふくっ・・んぅぅ」

空いている方の指を軽く噛んでその甘い痛みに陶然としながら、ショーツに挿し込んだ指の動きを強めて自身のオンナを強く責めた。

「っっっっ!」

ミサトの口から鋭く息が吐き出される。そして早まる呼吸音とともに、ミサトは思い人の名前を切なそうに呼び続けた。

「はぁっ・・シンジくん・・シンジくん・・ああん・・シンジ・・く、ん・・んあああっ・・わ、私、今してるの・・独りで・・はぁっ・・シンジくん・・シンジくんっ」

ミサトの動きが激しさを増した。
指で膣の中をこじりながらクリトリスを指で弾き飛ばし、シャツをめくり上げて、すっかり勃起した乳首をもう一方の手で摘み上げる。
自分で自分を苛めているような、そんな激しい自慰行為に耽りながら、ミサトは我を忘れて獣のような喘ぎ声を発していた。

「はぁぁんっっ・・あああああんっっ・・あはぁっ・・はぁっはぁっはぁっ・・あうっ・・んっ・・シンジくんっ・・私・・私ぃっ・・あふっっ・・もっとしてぇっ・・シンジくんっ、もっとよっ、もっとぉ・・ああんっ・・シンジくんっっ・・・」

激しい喘ぎは、いまや浅くて早い呼吸に変わり、目はうつろにさまよい、半開きの口からは涎がタラリと垂れて一筋の線を作っている。
彼女の中で何かが弾けようとしている。
内側から何かが盛り上がり、そしてミサトの体を突き抜けようと圧力を高めた。

「ひうっ・・ぃくっ・・つぅぅぅっっっ・・うああああっっ」

ミサトのしなやかな体が海老のように反り返って、布団の上で弾けるように踊りくねる。そして、たった一人で住んでいる広いマンションの一室に、彼女の切羽詰った声が響き渡った。

「あっっっ!!!!!・・・んんんんぁぁぁっっっっ!・・あひっ・・いっっっ・・・あっ・・かはっ・・シ、ンジ・・くんっ・・イクッ・・ひぃっいいいいいっっっっっっっ!!!!!・・・・・」

ミサトの両足が突っ張った。
片手を両腿の間に滑り込ませたまま、腰が高くスイングして浮き上がりブルブルと痙攣する。
そして、大きく開いた口から舌先を覗かせつつ、ヒューっという細い悲鳴が上がり、ミサトは達した。
圧倒的な快感に呑み込まれながら、彼女は浅いブリッジの体勢で暫く硬直していたが、やがて力尽きた様にドスンと布団の上に尻を落として、たった今自分を包み込んだ絶頂の余韻に浸り込んだ。

「あはっ、はぁぁぁぁ・・あはん・・はぁん・・はぁっ・・はぁっ・・あっ・・」

頭の中が痺れるような快感に酔いながら、ミサトは未練がましくヴァギナをさすり続け、その余韻を少しでも長引かせようとしている。
絶頂に達してから10分ほどそうやって自分を慰め続けていただろうか、やがて、自分の内股を撫で擦っていた手をひき抜いたミサトは、彼女自身の体液で濡れた指先を目の前に持ってきて、呆然とそれを眺めた。
トロリとした粘液が糸を引き、指の付け根から掌を伝い、手首まで透明な筋を作っている。

『いやらしい眺め・・』

我ながらそう思う。
とってもいやらしいと思う。
日曜の朝っぱらから、同居人のことを思ってオナニーに耽るなんて・・しかも、昨日の夜に寝床に入ってから悶々として眠れなくて、結局欲望のままに自分自身を慰め続けてしまった。

『これでシンジくんが帰ってきたら・・私、どうにかなっちゃうわね・・きっと狂ったようになって、シンジくんのことを求めてしまうに決まってる・・』

ミサトは自嘲気味に笑うと、ようやく上半身を起こした。
彼女が履いていたショーツは何時の間にか足首までずり下がっていたし、シャツははだけて、ミサトの豊かな乳房が露わになっている。

『人に見せられないわね、こんな格好・・』

ほつれた黒髪をかき上げながら、ミサトはだらしなく体を覆っている布きれを全て脱ぎ捨てて、生まれたままの姿となった。そして一睡もしていない疲れた体をひきずるようにして浴室へ入り、熱いシャワーと冷たいシャワーを交互に浴びる。

「ふぅ・・・」

ようやく人心地ついたミサトは、薄いブルーのバスタオルを体に巻いて居間のソファに落ちついた。
さすがに朝からビールというわけにはいかないから、ミルクを満たしたコップを片手に、ぼんやりと壁を眺めている。

『例の実験からもう一週間経つのよね・・』

******************************

赤木リツコの所属する技術課からの要望は、エヴァが長時間にわたる作戦行動に従事した際のパイロット自身の体調の変化を測定するために、作戦部の計画した訓練計画の練り直しを求めるものだった。
もちろんミサトはそんな横槍には納得せず、にべもなく断ったが、ほどなくしてNERV司令官・碇ゲンドウから計画の見直しを命じられ、泣く泣く作戦課の言う通りに訓練計画を修正したのである。
たぶん、リツコが何かしらのトリックを使ったのだろうが、それにしてもゲンドウの対応の素早さに呆気にとられてしまったミサトであった。
そして何よりも、あんな狭いエントリープラグの中に24時間も閉じ込められてしまうシンジと綾波レイのことが可愛そうで仕方なかった。
でもそこは組織に属する者の悲しさか、ミサトは結局彼ら二人を送り出す他なかったのである。
ただ、実験自体はとても単純で、いつものように戦闘シミュレーターで擬似戦闘を行わせ、その時の身体機能の変化を記録するだけなのだが、いかんせん時間が長い。
被験体となったシンジやレイはもちろんのこと、実験に付き合わざるえないミサトや、その他の作戦部のメンバーも、次第にイライラと言葉少なくなってゆく。
そんな剣呑な雰囲気の中、技術課のメンバーだけが嬉々として仕事をこなしていた。
彼等は、ほんのちょっとした変化(レイの血圧が1mmHg上昇したとか、シンジの血糖値がいつもより低めだとか)に対して敏感になり、すぐさま統計処理を行って、今現在の状況に理由付けしようと躍起になっていた。
技術課の連中からすればシンジもレイも実験対象に過ぎず、彼らが狭いエントリープラグの中で、窮屈で退屈な24時間を過ごしているという事に誰も気づいていないようだった。

『まるで幼稚園の遠足ね・・自分達が何をしていて何処に行くのか判らないくせに、嬉しくてただはしゃいでるだけの・・』

ミサトは、訓練と称したこの実験が早く終わることばかりを願って何度も何度も時計を見たが、こういう場合の時間は遅々として進まず、さらに彼女を苛立たせた。
ダラダラと時間が過ぎ、ようやくシンジとレイが解放された時には、すでに日曜日の午後になっていた。
エントリープラグから出てきた二人はさすがにグッタリとしていて、技術課の研究員達の問いかけにもムッツリと言葉少なに答えるのが精一杯のようだ。
だがこれで実験が終わったわけではなく、このあと医師団によるうんざりするような検査と、技術課研究員による、これまたうんざりするような質問責めに遭わなければならないのだ。
これではシンジならずとも不機嫌になろうというもので、自分ならおそらく、エントリープラグから出て最初に顔を合わせた人間を殴り倒しているに違いないとミサトは思った。
とりあえずシャワーを浴びて服を着替えて、シンジとレイはそれぞれ医師の診断を受けたのだが、この時シンジが不用意に漏らした一言が大問題を引き起こしたのである。

「ちょっと・・気分が悪いような気がします」

この一言で医師団と技術課連中はひきつけを起こさんばかりに大騒ぎし、シンジは即刻入院して精密検査を受けることとなってしまった。
シンジがいかに打ち消しても、もうあとの祭りである。
十重二十重に取り囲まれたシンジは、そのまま引きずられる様にして病院へと連れて行かれてしまい、あとには呆然と見送るミサトと、相変わらず無表情のレイと、あくまで冷静なリツコだけが残った。

「ま、長くても2、3日ね。もしかしたら明日にでも退院するかも」

「そ、そう願ってるわ」

結局、入院は一週間続いた。

******************************

「一週間かぁ・・そういえば、シンジ君が私の家に住むようになって、こんなに長い間離れ離れになってのは初めてじゃないかしら?」

ミサトはコップの中のミルクを一口飲んだ。
シンジと初めて出会ったあの日、あまりにも他人を寄せつけない荒んだ雰囲気にミサトは閉口し、そして、どうにも放っておけない気持ちになってしまった。
そこで、シンジに四の五の言わせずに、無理矢理自分の部屋に引越しさせて同居人にしてしまったミサトであったが、いざ同居を始めると、シンジがとても扱い難い子だという事を嫌と言うほど実感させられたのだった。
まず感情を表に出さない。
何事にも無気力。
そのうえ自分の殻に閉じこもりがちになる、等々・・・
シンジとコミニュケーションをとるのは、砂漠に花を咲かせるのに似ていると、自分の涙ぐましい努力を自虐的に褒め称えていたミサトだったが、シンジが引越して来て3週間ほど経った頃から、彼女はシンジの微妙な変化に気付いた。
自分のことを見るシンジの目付きが何となくおかしいような気がするのである
風呂上がりに無防備な薄着でビールを飲んでいる時や、居間でだらしない格好をしてTVを見ている時などに、ふっと視線を巡らせると、シンジがミサトを見つめていることがあって、彼女と視線が合うと慌てて逸らせるのだ。
またある夜、人の気配にハッと目を覚ますと、彼女の部屋の扉が小さく開いていて、廊下の薄明りの中、人影が部屋の中を覗き込んでいたこともある。
もちろんシンジには何も言わなかったが、彼は益々自分の殻に閉じこもるようになったし、さらにミサトを避けるような素振りさえ見せるようになった。
シンジの態度には何かおかしなところがある・・でもそれは、自分のことを嫌っているからではなく、むしろその逆ではないだろうか?
そう考えると、全てがピタリと符合する。
シンジは、異性として自分のことを強烈に意識するからこそ、どういう態度を取ったら良いのか判らずにいる。
自分だって、まだまだ充分に若いと言っても良いはずだから、シンジが意識してもおかしくないはずだ。
ミサトはやや自意識過剰気味にそう結論付けた。

『シンジ君が、私のことをねぇ・・』

決して嫌な気持ちではなかった。むしろ、初々しいと言っても良いくらいなシンジの態度に、新鮮な興奮すら覚えてしまうミサトであった。
ここしばらく、仕事にかまけてまともに男と付き合わなかったミサトだったから、その興奮は体の芯をじんわりと暖め、そして彼女の下腹部に小さな疼きをもたらした。
その疼きは、彼女が男を欲しくなる時の馴染みのサインである。
若い頃はそのサインが頻繁に出てどうにも抑えが効かなかったが、最近はそれも治まり、どうやら自分も大人になったんだと思っていたミサトだが、久しぶりに生まれたその感覚にちょっとたじろぐと供に、忘れかけていた甘い快美感に思わずうっとりとしてしまった。

『年下の男の子を襲って無理やり童貞を奪う』

悪くない考えだ。
むしろ望むところだとミサトは思った。
もしかしたら彼女自身それを期待してシンジのことを引き受けたのかもしれないが、そんなことを今更反省しても仕方なかったし、一度決心したら先に進むことしか考えられないミサトであった。
とにもかくにも、ミサトは自分自身の内なる声に素直に耳を傾けて周到な計画を練リ始めた。
それは、手連のハンターが獲物を追い込むときの慎重さで推し進められ、一方何も知らないシンジは相変わらず悶々とした日常を過ごしていた。
その数日間、二人の生活は外見上はごく普通に営まれたが、その内面では何か抑え難い圧力が徐々に高まりつつあり、シンジもミサトもピリピリするような緊張感を肌に感じて、訳も無くゾッと鳥肌を立てたりしていた。
そしてあの日、浴室でシャワーを浴びていたシンジを全裸のミサトが急襲した。
驚いて立ちすくむシンジに迫ったミサトは、欲望剥き出しでシンジを誘惑し、彼もまたその時の激情のままにミサトの肢体を思う存分貪ったのである。

『あの日のことを考えると、今でも顔が火照るわね・・・』

ミサトは残りのミルクを飲み干すと、空いている方の手で自分の顔をごしごし擦った。
あれから、シンジとミサトは暇さえあればお互いを求め合ったし、それは時と場所を選ばなかったから、結構際どい行為も経験している。
初めの頃はシンジから求めてくることが多かったが、最近は自分からシンジにおねだりをする事も多くなってきている。
確かにあれ以来シンジは随分明るくなって社交的にもなったから、ミサトは自分がしたことに後悔はしていないのだが、その反面、自分自身がシンジにどんどんのめり込んでいくのが判って慄然としているのも事実である。
行為の後は、いつもいつも自己嫌悪と反省に苛まれながらも、シンジの顔を見るとどうにも切なくなってしまうミサトだった。
だからこそ、今回のシンジの入院は自分自身を見なおす良いチャンスだとミサトは思ったのだが、今のところそれは必ずしも成功しているとは言い難い。
むしろ、シンジに会いたくて抱かれたくて、切なくなっている自分を発見するだけだった。

「駄目ねぇ私って・・ホント、駄目な女・・」

空になったコップをブラブラと振りながら、ミサトがポツリと呟いた。
目に思い悩むような色が浮かんでいる。
そんなミサトの物思いを遮るかのように、高い電子音が響き渡った。
電話が単調に鳴っている。

「ん、誰かしら?・・あ、もしかして、シンジ君?」

ミサトはパッと立ちあがると、体に巻いたバスタオルがはだけ落ちて、眩しい裸身が剥き出すのも構わずに電話に飛びついた。

「はい、葛城です・・はい・・はい・・えっそうですか!?・・はぁ・・あ、はい・・はい・・・・あっ、シンジ君?うん、私よ、そうそう、うん、わかったわ、すぐに迎えに行くから・・そう・・受付けの前でね・・はいはい〜」

さっきまでの憂悶の影は何処へやら、ミサトは弾む足取りで自室に入ると、いそいそと着替えを始めた。

******************************

「でも良かったわ、シンジ君元気そうで。顔色も良いし、声もしっかりしてるし、お姉さん安心したわよ」

「そもそも入院なんて必要なかったんですよ。ただ疲れてただけで、別に病気でもなんでもなかったんだから」

「そうよね。大体、さんざん精密検査した結果が『自立神経失調症気味』でしただって、人を小馬鹿にした話じゃない。『気味』よ『気味』!!まったく、当てになるんだかならないんだか・・」

「ああ〜〜っ、でもこれでようやく病院食から解放されるなぁ・・」

「そっか、育ち盛りなのにかわいそう・・よ〜し、今日はお姉さんが美味しいものを奢ってあげるわ。何でも好きなものをオーダーしてちょうだい。ステーキでもお寿司でもなんでもオッケイよ」

のどかな日曜の午後の日差しを浴びながら、ミサトのルノーが法定速度をやや上回る速度で軽快に走っている。
ステアリングを握るミサトは、ピンク色の半袖シャツに黒のミニスカートといういでたちで、朗らかに笑いながらシンジのことをチラチラと眺めていた。
一方のシンジはミサトのことを熱っぽく見つめており、早くも彼の一部分は硬直し始めていて、そそけ立つような高揚感を彼にもたらしている。
早くミサトの温かさを感じたい、抱き締めたい、ミサトの中に入りたい・・・そんな本能的な欲求が彼を支配し始めていた。

「ねぇねぇ、何食べたい?和食?中華?フグでもフカヒレでも何でも来いよ」

ミサトは左手で自分の胸をポンと叩くと、頼もしそうに笑って見せた。
それを見てちょっと笑ったシンジは、しかしながら、ためらうように口篭もっていて、中々自分の意見を言おうとはしなかった。

「え・・とですね・・そ、そうだなぁ・・う〜んと・・え〜っと」

「・・・・?」

モジモジしているシンジをミサトは不思議そうに眺めた。
食べ盛りで育ち盛りなんだから、何でも好きなものを言ってくれれば良いのに・・・そこまで考えて、ミサトはある思い違いをした。

「やぁだ、シンジ君ってば、私のお財布のことを気にしてるなら大丈夫よ。ここんところ忙しくて無駄使いしてないから、結構懐は温かいのよ。ささ、何が食べたいのかお姉さんに言って御覧なさい」

「いや、そうじゃなくて・・・う〜ん、これ言ったら、ミサトさん怒るかもしれないし・・」

「違うって?・・・じゃ、何が食べたいの?」

「・・・じゃぁ、思い切って言うけど、笑ったり、怒ったりしないって約束してくれる?」

「何それ?くすっ・・ナーバスなのねぇ・・大丈夫、シンジ君のオーダーには難癖つけないから、さぁ、言ってみて」

「僕は、その・・ミサトさんを食べたい」

「はぁ!?」

思わずシンジの方に首を向けたミサトは、一瞬、自分が運転していることを忘れてしまい、危うく車を反対車線に乗り入れてしまうところだった。

「わわっっ!!危なぁっっ・・はぁはぁ・・ひゅぅぅぅ、危なかったぁ」

「あ〜、ビックリした」

「ビックリしたのはこっちよ!何?何なの?私を食べたいって!?シンジ君っていつからゲテモノ食いになったの?」

「い、いやだから、そうじゃなくて・・その・・ご飯食べるよりも、ミサトさんと・・エ・・エッチしたいなぁって思ったから・・ははは・・ごめんなさい、退院していきなりなんて、軽蔑するよね?やっぱり?」

「な、何よ・・食べたいってそういう意味だったの・・ぷっ、くすくすくす・・ふぅん、そっかぁ、シンジ君、私としたかったのね?・・うふ・・そう・・そうなの・・うふ、うふふふふ・・」

ミサトの口から小さな笑い声が漏れた。
そしてその顔には、なんともいえない、とろけるような淫蕩な笑顔が浮かんでいる。
それは、シンジのみならず、男を虜にするような淫らがましい表情だった。
瞳はキラキラと欲情に輝き、少し小鼻を膨らませて、そして半開きの唇から舌先がチロチロと覗いている。
ついさっきまでの陽気で快活なミサトから、シンジが密かに命名している『発情したミサトさん』へのあっという間の変身にシンジはやや呆然としながらも、ミサトが自分の要求をすんなり受け入れてくれたことに対して嬉しい気持ちでいっぱいになった。

『ミサトさんも、僕のことを待ちつづけてくれてたんだ』

そう思うと、胸の中が熱くなるとともに、もう少し下の部分も熱くなってゆくのを感じるシンジだった。

「もちろん、私はいつでも喜んでお受けするわ。だって、シンジ君からのお誘いですもの・・んふ・・断れるわけ、ないじゃない」

「あはっ・・よ、良かったぁ。ミサトさんに怒られるかとばっかり思ってたよ」

「くすっ、そんなことしないわよ・・ところでさぁ、シンジ君?」

「あ、はい?」

「入院中に、私のことをオカズにしてオナニーはしたの?」

「えっ!?あ・・ああ、いや・・その・・」

「どうなの?」

慌てるシンジの様子を見ながら、ミサトは意地悪く笑うとシンジの腿の上に手を置いた。
ゆっくりと撫でるようにして、腿から腰にかけて擦り始める。
くすぐったいような、むず痒いような感触に背筋をゾクゾクさせながら、シンジは赤くなって小さく頷いた。

「こ、この一週間、病院のベッドの上で、ずっとミサトさんのことばっかり考えてて、特に週末は溜まっちゃって・・それで、ついその・・」

「オカズに使ってくれたんだ?」

「ご、ごめんなさい」

「別に怒ったりしないわよぉ・・でもね、ちょっち気になるわねぇ・・シンジ君がどんな風に私のことをオカズにしていたのか、興味津々よねぇ」

「う・・うう」

ミサトの指がシンジの股間へと這ってゆき、そして彼のズボンのジッパーに沿うようにして上下に動き始めた。
ズボンの内側でシンジのペニスがあっという間に硬度と容積を増した。

「う・・く・・くっ・・くふっ・・うううう」

シンジの口から小さな喘ぎ声が漏れる。
彼はやや前屈みになりながら軽く足を開いて、ミサトの動きをよりスムーズにさせた。
ミサトは、すっかり大きくなってズボンの前をパンパンに膨らませているペニスを掌ですっぽりと覆い、ゴシゴシとしごくことに余念がない。
彼女は車を運転しながらも、心ここにあらずという雰囲気で、シンジを刺激し続けた。

「はぁ、はぁ、はぁ、ミ、ミサトさん・・はぁ・・いきなり、そんな強く擦ったら・・ああ・・ううう・・くっ・・」

「あはっ、大きくなってる。シンジ君のオチンチン、すっごく大きい・・はぁ・・ねぇ、シンジ君、ベルト外してよ。ねぇ、チャック下してよ・・触らせて・・シンジ君の、直接触りたい」

「はぁ・・はぁ・・ちょっ、ちょっと、待ってて・・」

カチャカチャ・・・ジジィィィ・・・

シンジはもどかしげにズボンの前をくつろげると、トランクスのボタンも外して、真っ赤に膨れ上がったペニスを取り出した。
ヒクヒクと小刻み震える肉茎を、ミサトの白くて細い指が素早く包み込む。
シュッ、シュッ、シュッとリズミカルに手首が上下して、シンジに堪らない快感をもたらした。

「はぅぅぁぁっ・・あくっ・・うっ・・ミサトさんっ・・駄目っ、だっ・・そんなにしたら・・ああああ」

「あはっあはっ、熱くて、硬くて・・あうぅぅん・・すっごぉい・・ピクピクしてるのが判るわ・・はぁん・・素敵ぃ・・素敵よ、シンジ君・・」

「はぁ、はぁ・・ミサトさん、ぼ、僕にも、ミサトさんの触らせてよ・・うっ・・つぅぅっ」

「んっ?んふふっ・・だぁ〜めっ。今の私はねぇ、触られただけでイッちゃいそうだから、事故でも起こしたら大変でしょう?だ、か、ら、家に着くまでお預けよ」

「はぁはぁはぁ・・そんなぁ・・あっ・・くくっ・・ううううっ」

「それからね、シンジ君、家に着くまでイッちゃ駄目よ。勝手にイッたら、今日はもうおしまいにしちゃうんだから・・うふふ、頑張って我慢してね」

「あっううっ・・はぁはぁ、ミサトさんっ・・だ、駄目だよ・・そんなに・・うあっ・・我慢出来ないよっ・・うううううっ」

「男の子なら、気合で我慢我慢・・うふ、くすくすくす・・」

ミサトは、まるでシフトレバーを操るかのようにシンジのペニスを縦横に弄びながら、慎重な運転で家路を急いだ。
家に着くまでの間、シンジは、泣き声混じりの喘ぎ声を上げてミサトを大いに楽しませ続けたのだが、なんとか約束通り我慢し切った。

******************************

「ちょっと待っててねぇ・・今、開けるから・・え、と・・あれ・・ああ、あった、あった」

ミサトはバッグから鍵束を取り出すと、ガチャガチャいわせながら家の扉を解錠した。
重い鋼鉄の扉を開いて玄関に入ったミサトがチラリと後を振りかえって見ると、今にも破裂しそうな凄い表情のシンジが、ミサトの背中にピッタリと寄り添うように立っていた。
目が充血していてギラギラと物騒な光を放っているし、荒々しい呼吸音は聞いていて恐いくらいだ。
そして、ミサトをこの場に押し倒して無理矢理犯そうとでも言わんばかりに、シンジが体を押しつてくることに、彼女は期待と不安の入り混じった興奮を抱いていた。

『このまま、玄関でしちゃおうかしら・・』

ミサトは小さくほくそ笑むと、そうすることに決めた。

「ねぇシンジ君、ブーツの紐を解くからちょっと待っててね」

ミサトはそう言いながら、両足を真直ぐに伸ばしたまま前屈みになって、ブーツの紐を解きにかかった。そして、モタモタと紐をいじりながら、彼女の真後ろに立っているシンジの股間に尻が密着するように、わざと腰を後に突き出すようにする。

「ふぅっ・・ううう・・ううう」

シンジの喘ぎ声を背中越しに聞いていたミサトは、自分の腰をシンジがギュッと掴むのを感じた。
そしてそのまま、後背位でセックスするかのようにシンジが腰を突き上げてきたので、彼女は前屈みの状態で前後に揺すられた。

「ねぇ、シンジ君、そんなにされたんじゃブーツが脱げないわ・・ねぇ?聞いてるの?」

「はぁっ、はぁっ・・ミサト、さん・・も、もう、僕、駄目だよ・・はぁはぁ・・が、我慢出来ないよ・・ここでヤらせて・・お願いだから、ねっ?ヤらせてよっ!はぁっ、はぁっ」

シンジはさらに激しくミサトの尻を突き上げた。
スカートを通して、シンジの膨らみがグイグイと押しつけられるのを感じる。
その猛々しいほどの圧力に、ミサトは陶然となった。
そして彼女自身も、早く欲しいと思った。

「あは・・もう我慢出来ないのね。いいわよ、ここでしちゃいましょ・・じゃぁさ、シンジ君、スカートをめくり上げてみて」

「そ、それじゃ・・え、と・・あっ!」

ミサトの黒のミニスカートを腰までずり上げたシンジは、思わず驚嘆の声を出してしまった。
シンジの目の前にミサトの引き締まって張りのある尻が剥き出しになったのだが、本来それを覆い隠しているいるはずの(そしてシンジも当然有るはずだと思っていた)下着が無かった。
ミサトはスカートの下に何も着ていなかったのである。

「ミ、ミサトさんっっ・・もしかして、ノーパンだったの!?」

「そうよ・・うふっ・・シンジ君と、いつでも出来るようにってね・・ブラも着けてないのよ・・ほら・・」

そういいながら、ミサトはシャツのボタンを外して、前をはだけて見せた。
ミサトの大振りで形の良い乳房がまろび出てくる。
ミサトは、背後のシンジに露出した乳房が見えるようにと上半身を捻り、その豊かな曲線を誇示して見せた。
シンジの目が、ミサトの白い曲面とその中心で尖っている赤い突起に吸い寄せられ、そして再び自分の股間に押しつけられている二つの膨らみへと戻った。
誘うように揺れている尻を見つめながら、シンジの中で何かが切れた。
切れたついでに、彼は何から始めたら良いのか全く判らなくなっていた。
果して靴を脱いでからズボンを脱ぐべきなのか、それともズボンを脱ぐ前にシャツを脱ぐべきなのか、あるいはトランクスを履いたままでいいのか、それとも上半身だけ裸になるべきなのか・・・・
興奮のあまり、思考がブンブン唸りながら早回りしていて訳が解らなくなっている。

「あ・・う・・うう・・う・・」

折角ここまでお膳立てしたのに、ただ唸っているだけで行動しようとしないシンジを、ミサトはいぶかしげに見つめた。
そして、彼が興奮して頭の中が真っ白になっていることに気がつくと、くつくつと苦笑して助け舟を出すことにした。

「ほぉら、シンジ君ってば・・早くズボンとパンツを脱いじゃってよ。私ばっかり裸になってるなんて、不公平だわ」

「う・・うう」

シンジは相変わらずうめきながら、ミサトの指示通りにズボンとトランクスを不器用に下した。
そしてもう一度、たくし上げられたスカートごとミサトの腰をしっかり掴むと、いきり立つペニスの先端を柔かなヴァギナに押し当てた。
ヌルリ、とそこはすでに充分に濡れていて、亀頭の先端をトロトロと濡らしてゆく。
ミサトは、小陰唇を押し広げながらほんの少しだけ自分の中に挿入されている男根の硬さを強烈に意識した。
そしてそれが奥まで入って来ることを期待した。

「ミ、サト、さん・・い、いくよ・・んっ・・くっ・・んああああああ・・」

シンジが腰を前に進めると膣口で僅かに抵抗感があった。そこでやや力を込めると、亀頭がツプッと潜りこみ、そのあとはすんなりと奥まで挿入出来た。
ペニスを包みこむ膣壁の柔らかさや温かさ、そして何よりも堪らないぬめりにシンジは総毛立った。

「ふぅぅんんんっっ・・んんんんっ・・はぁっ、はぁっ・・あはっ・・どうしたの?動きが止まっちゃったけど、何かあったのかしら?」

「はーっ、はーっ・・ミサト、さんの中、き、気持ち良すぎて・・はぁぁ・・う、動けないよ・・うっ・・ううっ」

「ええっ!?ああん、入れただけなのに、もうイッちゃうのぉ?そんなの駄目よ、もっと我慢して、頑張ってよ」

「だ、だって、ミサトさんが悪いんだよ!車の中で散々焦らすから、ぼ、僕もう・・あぐぅぅ」

「あっっ・・ちょっと、ま、待ってよ・・あん、もうしょうがないわねぇ・・じゃぁここは、シンジ君の好きにしていいわよ・・そ、その代り、思いっきり出すようにね。判った?遠慮なんかしたら、あとで酷いんだからね」

「はぁ、はぁ、え、遠慮なんか、しませんよ・・頼まれたって、遠慮なんかするもんか!」

シンジはうめくように言うと、ミサトの腰を握る手に力を込めて一気にペニスを引き抜いた。
ズルズルとペニスにまとわり付くように小陰唇が外側に盛り上がり、膣口から愛液が掻き出されて吹き出した。

「はうっっ・・うううっっ・・んあああああっっ」

「あっ、あっ・・うぐ・・うああっ・・」

ミサトとシンジの口から同時に激しい喘ぎ声がほとばしる。
シンジは唇を噛みながら再度ミサトの奥へと突き進んだ。
そして、膣の最奥を突き上げると、また膣口まで亀頭を引き抜く。
深く浅く、深く浅く、中へ外へ、中へ外へ・・
シンジの動きが段々滑らかになってきた。
ミサトの腰を前後に漕ぎながら、自分の腰を打ちつけるように動かしてゆく。

「はっ、はっ、はっ・・ああっ・・気持ちイイっ・・ミサトさんの中って・・はぁっ、はぁっ・・凄く良いですっ・・くっ、くっ、つっ・・うくぅぅっっ」

「はぁぁぁんっ・・あはぁぁぁぁんっ・・んああああっっ・・凄いわぁっ・・シ、シンジ君っ・・あひぃぃっ・・がっ、頑張れるじゃないっ・・あはぁっ・・いい感じよっ・・そのままぁっ・・あはっあはっ・・もっとよっ・・もっと強くしてぇっ・・はぁぁぁぁぁぁっっ・・」

ミサトは、前屈みの状態のまま自分の両膝を掴んで支えにしている。
支えなければこの場に倒れ込んでしまいそうだった。
それほどシンジの責めは激しかったのである。
パンッ、パンッ、パンッ、とシンジがミサトの尻に股間を打ちつける音が小気味良いほどに響き渡っている。

「はぁぁぁっっ、くぁぁぁぁっっ、ああああああっっ・・あっ・・ミサトさんっっ・・ううっ・・そ、そろそろ・・イ・・キそう・・んんっ・・くうううっ」

「へぇぇぇっ!?・・はぁぁん・・駄目ぇっ・・駄目よっっ・・やっぱりまだイかないでぇっ・・あひぃぃっ・・もっとぉっ・・もっとしてよぉっ・・お願いよぉっっ!!」

「あああっっ・・くああああっっ・・ああっ・・イクよっ・・はぁぁーっ・・も、もう、出るっっ」

「ひぁっ、あひぃぃぃ・・ひっ、人の話を聞いてよっっ・・まだよっ・・まだ駄目なんだからねっ・・はぁっ、はぁっ・・聞いてるっ?ねぇっ?」

ミサトの問い掛けに、しかしシンジは答えなかった。
うねるような快感の渦の中で、シンジはひたすら上り詰めることだけを考えていて、ミサトのことなど全く頭に無かったのである。
シンジの下腹部が引きつれたようになって、猛烈な射精感が襲ってきた。

「あっ・・うあっ・・もっ、もうイクっ・・はぁぁっ・・くああっ・・うっ・・つうううう・・ふっっくっっ・・うああああああっっっ・・」

「やっ・・やぁぁっ・・まだぁっ・・あはぁっ・・まだよっ・・まだああぁぁっっ!!」

ミサトが口から泡を飛ばしながら絶叫するが、シンジはもう駄目だった。
あっという間に限界を突破して頭の中が真っ白になる。
すぅっと血の気が引いて、意識の全てがペニスに集中した。
そして、その中心を熱いものが貫通するのを呆然と感じながら、シンジは絶頂に達した。

「あああああああっっっっ・・んああっっっ・・あっ・・うぐああああああっっっっ・・・・」

「ひいっっっ!」

シンジの雄叫びと、ミサトの悲鳴が重なった。

どくっっっ、どくっっっ、どくっっっ・・びゅっびゅっびゅっ・・びゅびゅっっっ・・びゅっ・・びゅっ・・・

ミサトの体の中心で、シンジは遠慮容赦なく精液を放出した。
糊のように濃くて、そして驚くほど大量の精液がミサトの膣の一番奥に流し込まれる。
膣内はシンジのペニスによってすっぽりと栓をされているため、膣壁に叩きつけられた精液は行き場を失い、手近にあるすぼまりの中へとどんどん押し込まれて行く。
そして、細い管を通過した精液はそのままミサトの胎内へとなだれ込んでいった。

「あ・・はっ・・熱いのが・・注がれてるっ・・ひっ・・あああ・・いっぱい、出てるっ・・はぁっ、はぁっ・・あはっ・・はぁぁぁぁ・・」

ミサトはポタポタと汗の雫を額から滴らせながら、その場にグッタリと膝を突いた。
シンジも、ペニスを抜き取りながら後によろめくと、玄関扉に背中をついて肩で大きく息をしている。

「はーっ、はーっ、はーっ、はぁぁっ、はぁぁっ、はぁ・・ああ・・気持ち良かった・・一瞬気が遠くなっちゃった・・あぁ・・」

シンジは満足そうに笑うと、足首にまとわりついている下着とズボンをずり上げて、身支度を整えた。
一方、シンジに背中を向けたまま床の上でグッタリとしていたミサトも、無言のままはだけたシャツのボタンを留めて、腰まで上がったスカートをずり下げて、身繕いをしている。
なんとなく、気まずい。
満足感に浸っていたシンジは、ミサトのことを無視して自分勝手にイってしまったことに対して段々とやましい気持ちを抱き始めた。
しかも身繕いを終えたミサトが一言も喋ろうとしないのが余計に恐い。

「あ・・あの・・ミサトさん・・その・・ごめん・・ぼ、僕は・・」

「謝らないで、言い訳しないで」

何か言おうとするシンジに向かって、ミサトがぴしゃりと遮った。

「うぅぅ・・」

目を白黒させて黙りこくるシンジの目の前で、ミサトはノロノロとしんどそうに立ち上がった。
そしてゆっくり振りかえると、白けたような表情でシンジのことをじぃっと見つめるのだった。

「あ・・う・・」

思わず首をすくめたシンジは、ミサトの目をまともに見ることが出来ず下を向いてしまった。

『ま、まずいよ・・ミサトさん、怒ってる』

ドッと冷や汗が流れ出したシンジの頬にミサトの手がそっとあてがわれた。

「っ!」

ビクッとするシンジの顔を自分の方へ向ける。
うろたえてビクビクしているシンジとは対照的に、ミサトの顔には何の表情も浮かんでいない。
浮かんでいないだけに空恐ろしかった。
自分は何かとんでもない間違いを犯したのではないだろうか・・・シンジが内心おののきながらそう考え始めた時、ミサトの口からポツリと一言が漏れた。

「で・・?」

「へ?」

ミサトの一言があまりにも意外だったので、シンジは彼女が言ったことを理解できなかった。

「で・・?」

ミサトが同じ言葉を繰り返す。

「『で・・?』って・・?」

「で・・どうやって落とし前つけてくれるの?」

「おっっ、落とし前って・・あの・・?」

「だからさぁ・・」

堪りかねたように、ミサトの表情が変わった。
むくれたような不機嫌な色が浮かんでいる。
そして、僅かながら怒っている表情も。

「シンジ君がね、私のお願いを無視して勝手にイっちゃった落とし前を、どう付けてくれるのかってことを聞きたいの。これって判る?ねぇ?」

ミサトにガンガン責められて、シンジは滑稽なくらいうろたえている。

「あぁぁ・・ええっと・・その・・だから、ミサトさんが車の中で散々焦らすから・・」

「ひっどぉ〜いっ、全部私のせいにするのね!?私のせいにして、自分は生で中出しまでしちゃうのね!?それって最低じゃなぁい!私なんて、中途半端で全然満足してないのに、シンジ君ばっかりイイ気持ちになってぇ!そんなの不公平だわっ!!」

ミサトがシンジの顔を両手で包み込みながら、グングンと前後に揺すり始めた。
徐々にエスカレートするミサトの怒気に、シンジは完全に呑まれてしまっている。

「いや、だ、だから・・」

「ちゃんと責任とってよね!シンジ君、判ってる!?」

「せ、責任?」

「そう!責任よ、せ・き・に・ん!どう取るつもりなの!?」

「え・・ええっと・・わ、判りましたよ・・そ、それじゃぁ、今日はミサトさんが満足するまで付き合いますから、それでいいでしょう?」

「私が満足するまで?それって、私がいいって言うまで何回でもしてくれるってこと?」

「そ、そうですよ!10回でも100回でも、ミサトさんが満足するまで頑張るから、だ、だから・・」

その途端、ミサトの恐い顔がぐにゃりと崩れた。

「ぷっっ・・ぷぷっ・・ぷぷぷ〜〜っっ・・くすくすくす・・はは・・あはははははは」

シンジの顔を両手で挟んだまま、体を二つに折ってゲラゲラ笑い出す。

「なっっ!?」

狐につままれたような表情をしたシンジが、自分がからかわれたことに気が付いて、顔を真っ赤にするのに約3秒程かかった。

「ひ、ひどいよ・・からかうなんて・・」

「うふ、うふふふふ・・ご、ごめんなさいね・・くすくす・・」

笑いの発作が収まったミサトは、涙を拭きながら体を起こすと、輝くばかりの笑顔でシンジの細い体を抱き締めた。

「でもねぇ、私が独りだけ置いてきぼりにされちゃって、ほんのちょっと頭にきたのは事実よ、でもシンジ君の頼もしい一言でチャラにしてあげるわ」

「あう・・」

「私が満足してくれるまで相手してくれるのよね?うふ、たぁのしみだわぁ」

「あうあう・・」

「ささ、シンジ君、早速第2ラウンドよ。そうだ、今度はお風呂場でしましょう?ね?」

「あうあうあう・・」

ミサトに抱き締められていなければ、シンジは頭を抱えていただろう。
いいようにあしらわれている自分が情けなかった。
そして何よりも、ミサトとの行為を想像して、またぞろ勃起し始めている自分がもっと情けなかった。

『僕って、ホント、節操ないよな・・・』

自分の淫乱ぶりに呆れながらも、シンジはミサトに誘われるまま、部屋の中へと入って行った。
その翌日、シンジは退院後の自宅静養を理由に学校を休んだのだが、本当の理由を知っているのは当の本人と、そしてやけに肌が艶やかになったミサトだけであった。

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(NERV作戦局第一課・葛城ミサト記「サードチルドレン観察日誌」より、一部抜粋)
〇月×日(月)晴れ
・・・無事に退院したのだが、病院での生活は思った以上に彼の体に負担を強いたようで、本日朝、起床直後から全身倦怠感を訴えた。再入院も考慮したものの、体温36.3度、心拍数63回とほぼ正常値であり、本人もまた入院を希望していなかったため、私の独断で自宅にて安静にしているように指示をした。その甲斐あってか、夜には疲れも取れた様子であったし、食事も充分に摂っていることから・・・・

(赤木リツコから、葛城ミサトへ送られた電子メールより、一部抜粋)
・・・ということで、訓練計画(U−6)についてはよろしく配慮をお願いするわ。
P.S.ところで、あなたはシンジ君に何をしたの?

<おわります>



FatManさんからSSを頂戴致しました。
有名な方から投稿して頂けるというのは大変ありがたいことで感無量です。感謝の気持ちということで僭越ながら挿絵をつけさせて頂きました。
ご存知の方も多いかと思いますが、この作品はシリーズものの3本目となっていますので
まだ前作を読まれておられない方はぜひFatManさんのサイトで全作を読まれることをお勧めします。
そうするとより一層楽しめる事請け合いです。
私個人としましてはハードな部分の後で何となく微笑ましい感じがするのが好きです。
好きなキャラが気持ち良さそうにしてるのはいいことです。FatManさんはその辺の描写が大変上手いので
読んでいて不快になりません。愛を感じます。
余談ですが、私に「宗旨変えした」とか「裏切り者」とかいう非難のメールを送りつけるのはやめてつかあさい(笑えん)

<管理人>

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